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HOME 学べる内容 史学主専攻 日本史コース

日本史コース

日本の古代史・近世史・近代史を専門とする教員のもとで、史料学と実習の両面から日本史研究の研鑽を積みます。

現代を生きる日本史―筑波大学人文学類で学ぶ―


上:原文書による日本史史料学
下:日本史実習 新潟県燕市長善館資料館

歴史を学ぼうとするとき、必ず引かれる言葉があります。それは、歴史家E.H.カー(Edward Hallett Carr, 1892-1982)の『歴史とはなにか』のなかの「An unending dialogue between the present and the past.」(歴史とは現在と過去との果てしのない対話である)という文章です。
つまり、歴史というのは現在の目を通して、現在の問題に照らして過去を見ることで成り立つもので、つねに現代という時代をどう捉えるのかという自分なりの考えが必要だということです。また、現在を知るためには、過去がつねに参照されなければならないこと、つまり歴史を学ぶということは過去との対話を通じて自己を表現するということになります。だから、歴史を学ぶことでこそ、今、われわれはどこにいて、どこへ向かうのか、未来に向けて方向づけられるのです。
日本史コースでは、そうした視点から「歴史事象を発見する」(観察)、「普遍的に考える」(仮説)、「資料を集め、批判する」(実験)ことを学びます。そして人間とその社会を理解するための幅広い教養を身につけます。これらは、時代を画する変化を見極める必要不可欠な能力であり、科学としての歴史学の体系なのです。それは、学びとしての基礎でもあり、研究という世界への最初の扉です。日本史コースで学ぶことは、社会のニーズに受け身で対応するツールとしてのスキルの獲得ではなく、その「スキル」を必要とする社会と人間を理解するためのアカデミックな訓練であり、日本から発信されるグローバルで新たな、柔軟で多様な思考をもたらす「知」の創造へのはじまりです。

教授[日本近世社会史・北方史] 浪川 健治

 

日本史概説はどんな授業?

日本史概説では日本の古代〜現代についての通史的展望を試みます。日本史概説の履修者は、(1)日本史専攻を志望する者、(2)その他の史学、考古学・民俗学コースで基礎科目として履修する者、(3)その他、日本の歴史への全般的な関心から履修しようとする者、と多様であるため、近年の研究動向を踏まえた日本史像の提示とともに、これから日本史の研究をはじめようとする人たちへの研究入門の役割も担っています。

授業科目の一例

  • 日本史概説
  • 日本史演習
  • 日本史史料学
  • 日本史特講
  • 日本史実習
  • 日本史研究

先輩たちの卒業論文

  • 律令制下の「承家」と嫡子
  • 平安貴族と室礼
  • 水戸藩の成立と「御三家」の確立
  • 近世後期における人の移動と地域社会
  • 幕末期の災害と民衆
  • 加藤弘之の国家主義思想
  • 明治20年代における博物館行政と「東洋美術」
  • 明治前期の食生活と「健康」の論理
  • ロンドン軍縮会議をめぐる軍産関係

コースの声

4年生星井田 彩季

 皆さんは「日本史」に対してどのようなイメージを持っていますか?おそらく、ほとんどの人が年号や人物名をひたすら暗記する「大変な科目」というイメージを持っているかと思います。私も、高校まではひたすら暗記する科目だと思っていました。
しかし、大学での「日本史」は、まるで別世界です。高校までに得た知識をベースにし、どのような時代背景の中で出来事が起こり、そのことがどのような意味を持ち、その後の時代にどう反映されていくのかを、関連史料を基に考えます。最初は、ただ暗記をする高校までの授業との違いに驚くかもしれません。ですが、より詳細な時代背景や出来事同士の関連性を学ぶことによって、今までに得た知識を深めることができます。また、暗記をするだけでは知り得なかった歴史の新たな発見をすることはとても面白く、歴史に対してより興味を持つことができると思います。
日本史コースでは、概説・史料学・特講・実習・演習という授業があります。なかでも、二年生から受けられる史料学・特講・実習・演習では、日本史研究に必要な力を養います。演習では、学生が与えられたテーマについて調べて自分の意見を発表し、それについて先生や他の学生から質問や意見を受け、討論を行います。本で読んで得た知識だけでなく、自分なりの考えをまとめ、それを相手にわかりやすいように伝えることは社会の中でも必要な力です。また、他の学生との討論を通して自分では気づかなかった視点を知り、自分の考えをより深めることができます。そして、史料学では、日本史研究に不可欠な古文書の読み方・扱い方を教わります。
日本史コースの大きな魅力の一つは、様々な場所を訪れる授業があるということです。日帰りの巡見や二泊三日の実習などを行います。大学の外に出て実際に現地を訪れ自分の目で見ることによって、よりリアルな歴史を感じることができます。大学での日本史の勉強は、図書館に籠って本を読むだけではないのです。
人文学類で日本史を専攻し、専門の領域にとどまらずに広い視野をもつことで、自分の知識を深めることができます。すると、暗記するだけでは味わえなかった日本史の面白さを知ることができるでしょう。