学べる内容

哲学コース

哲学史や哲学の方法論を学びつつ、世界やその中で生きる人間の生について根底から意味を問い、知を探究します。

混迷する現代世界に対応するフレッシュな知性を求む


左上:デカルト、右上:カント、
左下:プラトン、右下:シェリング

哲学することの醍醐味は、自分が生きるうえで前提している原理(常識)を反省し、みずからの責任で再構築することにあります。人間にとって「生きる」ことは「知る」こととともにありますが、人は、一定の「ものの見方(知り方)」を前提し、特定の「生き方」を選ばざるをえない生き物です。この世界(直)観ないし人生(直)観を反省し、真に自分のものにするところに哲学の真骨頂があります。現代世界の混迷を理解する鍵は、この意味での哲学の不在であり、人文学の軽視です。進むべき方向を見定める知性なしに私たちの未来はありません。今こそ、古代以来の西洋哲学および東洋(中国)哲学を学び直し、創造的に現代世界に対応してゆく、みなさんのフレッシュな知性が求められています。

教授[西洋近世哲学]檜垣良成

哲学はどんな授業?

西洋哲学は古代ギリシア哲学から始まります。プラトン、アリストテレスを中心にこの哲学を押さえ、近代哲学としては、モンテーニュ、デカルト、マルブランシュ、ライプニッツ、カント、フィヒテ、シェリングなどのフランス、ドイツの哲学が主に取り上げられます。またベルグソンやメルロ=ポンティなどの現代哲学にも触れられます。一方、東洋哲学では儒教を中心に老荘思想・道教思想など、はば広く中国の哲学を学ぶことができます。

授業科目の一例

  • 哲学
  • 哲学特講
  • 西洋哲学史
  • 東洋哲学史
  • 哲学演習
  • 哲学史演習

先輩たちの卒業論文

  • プラトンにおける正義と幸福
  • カント倫理学における嘘の絶対的禁止の位置づけ
  • ベルクソンにおける客観性の問題
  • 哲学的対話の成立条件
  • 老子についての一考察

コース担当教員からのメッセージ

教員名研究テーマメッセージ
檜垣 良成 カント研究カントを中心に理論と実践を考えています。哲学における〈対話〉の重要性を痛感しています。
津崎 良典 西洋近世哲学フランス哲学の学びを通じて人間と人間を超えるものへの感嘆(タウマゼイン)を新たにしてほしい。

コースの声

卒業生想田 瑞恵

まず、偉そうですが、予言をしてみます。
「人それぞれ考えていることは違うから」と他者の考えに寛容であり、自分の考えも押し付けず、常に相対的な視点から発言する人。「自分らしさ」を信じており、「あなたはどう思いますか」と言われると、他と違うことを張り切って言おうとする人。こうした人は、おそらく哲学コースで人生最大級の忍耐か自己変革を迫られるでしょう。
さて、上記の人物は全て私の一部です。私は「善悪とは何か」などのいわゆる哲学的な問いを、実感のこもった問いとして持つことはありませんでした。哲学コースに在籍してなお、私にとっては、「きちんと仲間だと認めてもらえているか」や「嫌われたかな。どうしよう」といった問いのほうがよほど切実だったのです。このことは、冒頭の一文に「偉そうですが」と付け足さずにはいられないことからも推測できると思います。では、なぜ後半の問いには実感がこもっており切実なのでしょうか。あるいは、なぜ私は自分には実感がもてない問いについての哲学の授業に参加するのでしょう。「人それぞれ」でごまかしてきた私には答える言葉がありませんでした。相対的な視点はあっても肝心の自分の思想の足場が鍛えられていなかったのです。哲学コースでは、自分の中の一貫性(信念)を追求することで、足場を鍛えることができます。この追求に私は哲学の醍醐味を感じます。
予言を最後にもう一つ。これは自分にとってもまだ予感でしかありませんが。
「自己変革や忍耐を迫られても授業に挑み続けるなら、たとえ世界を閉じてしまいたくなるほど辛いことがあったとしても、世界に立ち向かえるだけの強さを、拠り所を、精神的な体力を、哲学コースで得られるでしょう」。