ユーラシア史学コースとは?
ユーラシア史学とは
「ユーラシア史学」という言葉に戸惑いを覚えた方も多いのではないでしょうか。従来の歴史学は、日本史学・東洋史学・西洋史学の三領域に区分されてきました。これは皆さんにも馴染み深いものでしょう。しかし私たちはあえてそうした伝統的区分を採らず、ユーラシア史学という耳慣れない独自のコースを設計しました。
それはこの三区分論が、三つの地域の閉鎖性をどこかで前提としているからです。いいかえればこの区分は、三地域が明確な境界線によって分断され、その閉ざされた空間の中でそれぞれ独自の文明を築いてきたという錯覚を生みかねません。しかし実際はそうではなく、人類ははるか昔から文明をまたぐ広域的な交渉を連綿と続けてきたのです。
そうしたダイナミックな歴史の側面を切り捨てないためにも、私たちはユーラシア大陸で勃興したさまざまな文明と、そこから地球規模で拡散した諸文明(新大陸や豪州も含む)をも包摂した枠組みを設定することにしました。それゆえユーラシア史学という言葉には単にユーラシア大陸の歴史だけでなく、それをはるかに凌駕するスケールの「人類史」という意味が込められているのです。
授業科目の一例
- アッカド語初級
- 古代西アジア史演習
- 満洲語文語基礎
- 中国史演習
- ヨーロッパ史概説
- ヨーロッパ・アメリカ史基礎文献講読
授業紹介
アッカド語初級はどんな授業?
今を遡ること約5500年前、現在のイラク南部に相当する南メソポタミアの古代都市ウルクにおいて、人類最古の文字である楔形文字の原型が発明されました。
その後、楔形文字はメソポタミアを中心とする西アジア世界に広まり、紀元後1世紀ごろに放棄されるまで文明の基礎になりました。本授業では、この楔形文字の初歩、そして、楔形文字で記された諸言語の一つであるアッカド語の初級文法について学びます。
先輩たちの卒業論文
- 紀元前2千年紀後半のアッシリア国家行政における労働力管理
- 紀元前2千年紀前半におけるイシュタルの性別逆転祭儀
- 乾隆期清朝のモンゴル統治とトルグート東遷―「属地主義」への転換―
- 中国の近代国家建設と女性―雑誌『婦女雑誌』を中心とした考察―
- 国家はなぜユダヤ人を排除したのか―ナチス占領下フランスにおける反ユダヤ政策の政治的意思と協力の構造―
- 奉公人運動をめぐるドイツ女性運動の対立
所属教員紹介
※表示順が職階順でないことがあります
| 教員名 | 職階 | メッセージ | |
|---|---|---|---|
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柴田 大輔 Daisuke Shibata | 教授 | ユーラシア史学コース 古代メソポタミア史、楔形文字学 |
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上田 裕之 Hiroyuki Ueda | 准教授 | ユーラシア史学コース 中国近世史 |
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村上 宏昭 Hiroaki Murakami | 准教授 | ユーラシア史学コース ドイツ近現代史 |
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山本 孟 Hajime Yamamoto | 准教授 | ユーラシア史学コース 古代アナトリア史、楔形文字学 |
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岩田 啓介 Keisuke Iwata | 助教 | ユーラシア史学コース 内陸アジア史 |
学生の声
卒業生澤 奏子
世界史の教科書には、多くの人々や国、民族の名前が書かれています。もし、その人たち自身の言葉で、彼らが生きていた世界を理解できたら、わくわくすると思いませんか。
筑波大学人文学類ユーラシア史学コースでは、史料や論文を読み解くための実践的な語学力を身につけます。英語だけでなく、独語や仏語などに加え、さらにはアッカド語や満洲語など、研究対象に応じた言語に挑戦します。
私はドイツ近現代史に興味があり、ヨーロッパ・アメリカ史サブコースを選びました。一年次から英語論文を一本読み通す授業に取り組み、二年次にはドイツ語で論文を読む授業を履修しました。三年次以降は自身の研究を深めるために、英語・ドイツ語を問わず自身の力で論文を読み進めていきます。母語ではない言語で論文を読むのは簡単ではなく、何度も立ち止まりながら向き合いましたが、第一次世界大戦の戦没者遺族が発した生々しい言葉を彼ら自身の言葉で知りえたときの感情は、今でも忘れられません。
外国史を学ぶには、研究対象の地域や時代、または研究が活発に行われている国の言葉等に向き合う必要があります。最初は難しく感じるかもしれませんが、その壁を越えたとき、これまで見えていなかった世界が広がります。ぜひ、外国語という壁の先にある歴史に触れてみませんか。
About the Eurasian History Course?
Perhaps many would be perplexed by the term “Eurasian History”. History taught in Japan is conventionally divided into three categories: Japanese History, Eastern History, and Western History. These would be familiar to any Japanese student. However, we decided not to adopt this conventional categorization and instead designed a unique and novel course called Eurasian History.
The reason for this is because breaking history into three categories is based on the premise that these areas were somehow cut off from each other. In other words, this division creates the illusion that these three regions are separated by a clear boundary and have built their own civilizations within that closed space. But this is not actually the case; mankind has engaged in trade and diplomacy across civilizations since antiquity.
We created a framework that includes various civilizations that emerged on the Eurasian continent and spread globally (including to the New World and Australia) so as not to omit this dynamic aspect of history. For this reason, the term Eurasian History is not only about history of the Eurasian continent, but also about human history on a far bigger scale.
Example of Subjects
- Elementary Akkadian
- Ancient Western History Seminar
- Basics of the Manchu Language
- Chinese History Seminar
- Introduction to European History/li>
- Basic Literature Review of European and American History
Course Introduction
What kind of class is Introduction to European History?
In Introduction to European history, students will learn about the history of Europe from the Middle Ages to the present day from a social and cultural perspective. Our aim in this is for students to acquire basic concepts and methodologies needed for historical research at the university. We also want students in this class to break away from the idea of history as a subject of rote memorization and instead train their thinking ability to be able to question the things they take for granted in everyday life.
Senior Graduation Thesis
- A Collection of Rubbings From Royal Babylonian Monument Inscriptions From the Assyrian Royal Library in Nineveh in 7th Century BC and Their Political and Cultural Background
- Family Spirits in the Mesopotamian Funeral Texts From the 1st Millennium BC
- Changes in the Theory of ‘Wokou Pirates’ During the Ming Dynasty Under Emperor Jiajing—A Focus on References to Wang Zhi
- Mobilization of The Mujahideen on the Southern Xinjiang Road in the Early Qing Dynasty: The Ush Rebellion of 1765
- The Development and Establishment of Law for the Prevention of Hereditarily Diseased Offspring in Nazi Germany: A Focus on Genetic Health Court
- Wartime Public Relations in the US During World War I: A Focus on the Four Minutemen Project
Faculty Members
| 教員名 | 職階 | メッセージ | |
|---|---|---|---|
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柴田 大輔 Daisuke Shibata | 教授 | ユーラシア史学コース 古代メソポタミア史、楔形文字学 |
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上田 裕之 Hiroyuki Ueda | 准教授 | ユーラシア史学コース 中国近世史 |
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村上 宏昭 Hiroaki Murakami | 准教授 | ユーラシア史学コース ドイツ近現代史 |
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山本 孟 Hajime Yamamoto | 准教授 | ユーラシア史学コース 古代アナトリア史、楔形文字学 |
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岩田 啓介 Keisuke Iwata | 助教 | ユーラシア史学コース 内陸アジア史 |
Student Voices
卒業生澤 奏子
世界史の教科書には、多くの人々や国、民族の名前が書かれています。もし、その人たち自身の言葉で、彼らが生きていた世界を理解できたら、わくわくすると思いませんか。
筑波大学人文学類ユーラシア史学コースでは、史料や論文を読み解くための実践的な語学力を身につけます。英語だけでなく、独語や仏語などに加え、さらにはアッカド語や満洲語など、研究対象に応じた言語に挑戦します。
私はドイツ近現代史に興味があり、ヨーロッパ・アメリカ史サブコースを選びました。一年次から英語論文を一本読み通す授業に取り組み、二年次にはドイツ語で論文を読む授業を履修しました。三年次以降は自身の研究を深めるために、英語・ドイツ語を問わず自身の力で論文を読み進めていきます。母語ではない言語で論文を読むのは簡単ではなく、何度も立ち止まりながら向き合いましたが、第一次世界大戦の戦没者遺族が発した生々しい言葉を彼ら自身の言葉で知りえたときの感情は、今でも忘れられません。
外国史を学ぶには、研究対象の地域や時代、または研究が活発に行われている国の言葉等に向き合う必要があります。最初は難しく感じるかもしれませんが、その壁を越えたとき、これまで見えていなかった世界が広がります。ぜひ、外国語という壁の先にある歴史に触れてみませんか。