民俗学・文化人類学コース

民俗学・文化人類学コースとは?

民俗学・文化人類学の学び方

民俗学は儀礼・信仰・社会・経済などの伝承資料から日常の暮らしと文化を探求し、文化人類学は異文化の営みと我々自身の営みをシンメトリックに研究する学問です。いずれもフィールドワークに基づいて、価値観を異にする人々の行動様式を生活文化の中で理解します。そのため専攻する学生は5日間の調査実習に2回参加し、その体験から自分自身で問題を発見し作業 仮説を打ち立てて研究を進めることになります。
民俗学では対象の歴史的な深みを考察するため日本史学と連携した科目を組んでいます。文化人類学では古典的な理論から最新の科学技術論に至るまで幅広く批判的に学びます。こうして育まれた能力を用い、身近でありながら人間にとって根源的な経験を記述し理論的に考察する卒業研究に取り組みます。

コース教員一同

授業科目の一例
  • 民俗学特講
  • 比較民俗学演習
  • 文化人類学講義
  • 文化人類学演習
  • 民俗学・文化人類学調査法
  • 民俗学・文化人類学実習
授業紹介
調査法と実習とは?
民俗学・文化人類学コースの学生(主に2,3年生)は年に1度,日本国内のどこかに連れて行かれます。そこでのフィールドワークの日々を通して生活文化を考察し,人々の思考と行動にふれ、自身の文化理論を試します。そのために事前に「調査法」の授業で十分な準備を積み重ね,それから実際に「実習」調査に向かいます。
先輩たちの卒業論文
  • 偉人顕彰を担う小学校
  • 福来みかんの利用にみる地域資源活用
  • 棚田農家のこだわりと米の価値
  • スポーツチームに所属する高齢者の生活
  • メディア・アートの創発とポリティクスをめぐるエスノグラフィー
  • 台湾朝市場の人類学的研究
  • 自然観察の森と身近な自然のエスノグラフィー

所属教員紹介

教員名 職階 メッセージ
内山田 康 内山田 康Yasushi Uchiyamada 教授 自分を理解の道具としてフィールドに入り、そこを離れて考察し、再びフィールドで枠組みを問い返し…
武井 基晃 武井 基晃Motoaki Takei 准教授 民俗学の魅力は、何気ない日常の中にある問いの答えを、人々との対話や体験の共有から見つけていくことです。
中野 泰 中野 泰Yasushi Nakano 准教授 異なる社会における生活経験の魅力を民俗学から考えてみましょう!
学類生の声

卒業生小池 いくみ

民俗学とは、私たちの日常生活や文化を、様々な側面から研究し、再構築、再認識していく学問です。論考の検討といった屋内での研究手法だけではなく、実際に現地に赴き聞き書きをする、フィールドワークという研究手法も行うことがこの学問の特徴です。2年生から始まる民俗学実習では、個々人の興味に基づいて自由に調査テーマを設定し、先生や院生からの指導を受けつつ論文や現地の地図を用いて事前調査を行なったあと、実際に現地でフィールドワークを行います。私はある港町の祭りがどのようにして現在まで継承されてきたのか、ある街の定期市がどのような組織によって運営されてきたのかなどを調査しました。フィールドワークは、自分の足で現地を歩き回り、積極的に人々とコミュニケーションをとって情報を得なければならず、困難も多い研究手法です。しかし、たくさんの人々の語りに触れ、人間の文化の豊かさを再確認することは、非常に面白く、刺激的で興味深い経験でもあります。
3年生になると、実習での経験をもとに卒業論文に取りかかります。私はこれまでの実習で取り組んできた物事の運営と継承というテーマに、卒業論文でも取り組むことに決めました。福島県喜多方市の神社に伝わる「御田植祭」を調査対象とし、祭を運営する地元住民たちが、管理体制をどのように変化させてきたのか、またどのような変更を祭に加えてきたのかという面に注目して、運営側の祭に対する意識を明らかにします。また、近年に起きた大きな変化の一つである、お田植え踊りの担い手の変化に注目し、祭にとって不可欠な 伝統を継承するという要素を、運営する人々はどのように捉え、対応しているのかを明らかにするため調査を行なっています。住民の方だけでなく、行政の調査委員会の方や福島県立博物館の学芸員の方、神事の撮影に来たアマチュアのカメラマンの方など、現地で出 会ったたくさんの人にお話を伺い、協力していただきながら調査を進めているところです。
フィールドワークには多くの出会いがあります。私自身も、年に一度の行事で使う大凧を特別に揚げさせてもらったり、当日知り合った方に現地の伝統料理をご馳走になったりと、貴重なものから心が温かくなるようなものまで、様々な経験をすることができました。民俗学という学問に触れ、研究を深めていくことは、自分という一人の人間の成長にも大きく関わっていると思います。当たり前だと思っていた日常生活、文化にも、新たな発見は潜んでいます。興味を持った方は、ぜひ民俗学・文化人類学コースを選択し、フィールドへと飛び出してみませんか。

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