日本史学コース

日本史コースとは?

大学で学ぶ日本史学

大学入学までの日本史は、しばしば暗記科目といわれることがあります。そして、試験のときの正答は一つだけだと思います。
それに対して、大学で学ぶ日本史学では、クラスの全員に一律に覚えてもらうような知識というものは一つもありません。4年間の授業を通して、各自の問題関心に即した研究課題を立て、それぞれの課題にふさわしい史料調査の方法を身につけ、史料に批判と独自の解釈を加えて獲得した各自の見解を、集大成としての卒業論文にまとめてもらいたいと思います。本学ではグローバル人材の養成を目標に掲げていますが、日本史学に関しては、日本において研究を極めることが世界で通用するグローバル人材を養成することにほかならないと考えています。
私は3年生になるときの専攻・コース決定届に、その理由を以下のように書きました。

―― ハーバート・ノーマンの次の言葉をもってそれに代える。「歴史は微妙で複雑な学問であるから、これを粗略に扱うときは必ず人を落し穴に陥れるものである。それゆえ国民が自国の歴史を正しく理知的に認識していることはきわめて大切である。」(『ハーバート・ノーマン全集』第4巻、岩波書店、1978年)――

筑波の地でともに日本史学を創造していこうとする学生がコースの扉を敲いてくれることを願っています。

教授[日本近現代史、思想史・史料学]中野目 徹

授業科目の一例
  • 日本史概説
  • 日本史史料学
  • 日本史特講
  • 日本史演習
  • 日本史実習
  • 日本史研究
授業紹介
日本史学を体系的に学ぶ
本コースでは、日本史学を体系的に学べるように授業が組み立てられています。まず「概説」で基本的な知識を身につけたあと、「史料学」で実践的な史料の読み方を習得します。それを踏まえつつ、専門的な研究方法に触れるのが「特講」、史料の読解に自ら取り組むのが「演習」です。こうした段階的学習のうえに卒業論文の執筆があります。
先輩たちの卒業論文
  • 律令国家における官僧の位置
  • 古代東北支配と東国
  • 9世紀における交易管理と唐物
  • 加藤弘之の国家主義思想
  • 日露戦後における井上哲次郎の国民道徳論
  • 大正・昭和初期における地域の政治構造
  • 戦後における宮内省改革

所属教員紹介

教員名 職階 メッセージ
中野目 徹 中野目 徹Toru Nakanome 教授 問題意識の高い学生の入学を待っています。中野目徹編『近代日本の思想をさぐる』(2018年、吉川弘文館)参照。
三谷 芳幸 三谷 芳幸Yoshiyuki Mitani 准教授 地道に学問しましょう。
学類生の声

4年生新木 絵里加

皆さんのなかには、「日本史」というと「暗記科目」のイメージが強い、という方が多いのではないでしょうか。たしかに、受験科目としての日本史には覚える作業が多く、暗記科目と言われる一面もあると思います。しかし、大学での「日本史学」は、ただ人名や歴史的事象を覚える作業ではありません。
史学とは歴史を解釈する学問です。史料の読解をもとに、出来事がどのような時代背景のなかで起こり、どのような意味をもち、その後にどのような影響を及ぼしたのかを考えます。高校までに得た知識は点であり、それを線でつなげるのが大学での史学だと思います。現在でも歴史の教科書は改訂され続けています。それは教科書に載っているものは歴史の一つの解釈でしかなく、今もなお歴史の解釈に絶対的なものはないことを示しているのではないでしょうか。大学では、一つの解釈を与えられるだけ、覚えるだけの「日本史」から、自ら史料を読み解き、解釈を組み立てる「日本史学」への飛躍を体感することができます。
史学では、史料を収集・解釈し、論理的に歴史を読み解くことが求められます。論理は緻密に組み立てなくてはならず、「こうも解釈できる」ではなく、「こうとしか解釈できない」というレベルにまで研鑽しなくてはいけません。大変なように感じるかもしれませんが、一つ一つの史料に真摯に向き合い論じる能力は、将来どのような職業に就いても役に立つ力だと思います。高校までに知った歴史的事象を、「自らの手で解釈する楽しさ」が、大学での日本史学の魅力でしょう。

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